メニュー

心療内科に行くべき人とは?受診の目安となる症状について解説

[2025.06.12]

心身の不調を感じたときに受診する心療内科ですが、「今の症状で受診しても良いのか?」「どのような人が受診すべき場所なのか?」と悩んでしまう方も多いでしょう。

結論から言うと、心療内科の受診に制限はなく、不調を感じている人なら誰でも受診できます。

この記事では、心療内科を受診する目安・基準についてさらに詳しく解説します。

心療内科に行くべき人の特徴や受診の目安となる症状、受診を迷う場合のセルフチェックリストなどもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

心療内科を受診する目安・基準

身体的・精神的な症状が一つでも見られる場合は、心療内科の受診を検討しましょう。

「この程度の症状で受診しても良いのか?」と悩んでしまう方もいますが、そういったことは気にせず受診して問題ありません。

むしろ心身の不調を治療せずに放置しておくと、さらに悪化してしまう恐れがあります。

特に精神的な不調は長期化すると身体的な症状の発症につながり、さらには日常生活に支障をきたす可能性もあります。

気になる症状がある場合は、なるべく早めに心療内科を受診しましょう。

心療内科に行くべき人は?受診の目安となる症状

心療内科の受診の目安となる症状として、以下が挙げられます。

受診の目安 具体的な症状
精神面に関する症状 ●些細なことで情緒が乱れる
●小さなことでも不安になる
●気分が落ち込みやすい
●意欲がわかない
●好きだったことをを楽しめなくなった
●頭がぼーっとする・集中できない
など
睡眠に関する症状 ●寝付きが悪くなった
●夜中に目が覚める
●目覚ましが鳴る前に目が覚める
●ちょっとした刺激ですぐに目が覚める
●日中に眠気を感じる
など
食事に関する症状 ●食欲がわかない
●体重減少
●食べ過ぎてしまう
●食事に興味がわかなくなった
など
行動に関する症状 ●他人とのコミュニケーションを避けるようになった
●上手く喋れなくなった
●身だしなみ・清潔に気を配れなくなった
身体に関する症状 ●疲れ・だるさ
●頭痛
●肩こり
●めまい・耳鳴り
●動悸
●喉の違和感
●腹痛
●吐き気
●便秘・下痢
など

上記のうち、一つでも当てはまるものがある場合は心療内科の受診を検討しましょう。

ここでは上記それぞれの症状について解説します。

精神面に関する症状

精神面に関する症状として、以下のようなものが挙げられます。

  • 些細なことで情緒が乱れる
  • 小さなことでも不安になる
  • 気分が落ち込みやすい
  • 意欲がわかない
  • 好きだったことを楽しめなくなった
  • 頭がぼーっとする・集中できない
  • イライラして落ち着かない
  • 他人が怖く感じる
  • 過度に緊張してしまう
    など

一時的に気分が落ち込んだりネガティブな思考になってしまったりするのは、健康な人でもあることですが、それが何日も続く場合は精神疾患の可能性が考えられます。

上記のような症状が2週間以上続く場合は、心療内科の受診を検討しましょう。

また外出ができない、誰とも話したくないなど、日常生活に支障をきたしているほどの症状の場合は、すぐにでも受診すべきです。

睡眠に関する症状

睡眠に関する症状として、以下のようなものが挙げられます。

  • 寝付きが悪くなった
  • 夜中に目が覚める
  • 目覚ましが鳴る前に目が覚める
  • ちょっとした刺激ですぐに目が覚める
  • 日中に眠気を感じる
    など

上記のような症状がみられる場合、不眠症や閉塞性睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)、過眠症などの睡眠障害の可能性が考えられます。

睡眠障害はよく眠れないというだけでなく、日中の倦怠感や疲労感、眠気といった症状が現れるのが特徴で、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

上記の症状が悪化すると高血圧や脳卒中、心筋梗塞、心不全といった合併症を引き起こす恐れもあるため、なるべく早めに受診しましょう。

食事に関する症状

食事に関する症状として、以下のようなものが挙げられます。

  • 食欲がわかない
  • 体重減少
  • 食べ過ぎてしまう
  • 食事に興味がわかなくなった
    など

食欲不振や体重減少といった症状は、消化器疾患(胃潰瘍や十二指腸潰瘍など)や細菌・ウイルスの感染症、一部の薬剤などさまざまな原因によって引き起こされます。

精神的なストレスや精神疾患によって生じることもあるため、きちんと検査を受けて原因を突き止めることが大切です。

また体重増加に対し強い恐怖を感じたり、食事量や回数を極端に制限したりしてしまう「摂食障害」も、心療内科での治療が可能です。

行動に関する症状

行動に関する症状として、以下のようなものが挙げられます。

  • 他人とのコミュニケーションを避けるようになった
  • 上手く喋れなくなった
  • 身だしなみ・清潔に気を配れなくなった

など

上記の症状はうつ病や双極性障害(躁うつ病)、統合失調症、発達障害などによくみられます。

うつ病や双極性障害(躁うつ病)のうつ状態は気力や判断力の低下も症状の一つで、普段は身なりをきちんとしている人でも、うつの進行に伴って身だしなみに気を使えなくなってしまうことがあるのです。

例えば髪の毛を長期間散髪していない、化粧をしなくなった、服装がだらしなくなったなどの変化がみられる場合はうつ病や双極性障害(躁うつ病)の可能性が高いため、一度心療内科の受診を検討しましょう。

また身だしなみだけでなく、部屋の整理整頓や掃除ができない状態が続いている場合も注意が必要です。

身体に関する症状

身体に関する症状として、以下のようなものが挙げられます。

  • 疲れ・だるさ
  • 頭痛
  • 肩こり
  • めまい・耳鳴り
  • 動悸
  • 喉の違和感
  • 腹痛
  • 吐き気
  • 便秘・下痢
    など

心療内科は精神的な原因から生じる体の不調も診療対象としています。

身体的な不調だけであれば内科を受診する方も多いですが、気分の落ち込みや不安感、睡眠障害など精神的な不調も伴う場合は心療内科を受診しましょう。

また内科を受診しても明確な原因がわからなかった場合や、薬による治療であまり効果が得られなかった場合も心療内科の受診が推奨されます。

心療内科とは?精神科との違いは?

ここでは心療内科の受診内容や精神科との違いなどについて解説します。

心療内科とは

心療内科とは、精神的な原因から生じる精神的・身体的不調に対し、心と体の両面から治療を行う診療科です。

例えばストレスや不安からくる頭痛、腹痛、動悸、めまい、食欲不振、睡眠障害など、身体的な不調があるにもかかわらず、検査では明確な異常が見つからないといったケースが主な対象です。

心療内科では、薬物療法だけでなく、心理療法や生活指導を通じて心と体の両面からバランスを整える治療が行われます。

身体症状の背景に心理的な原因があると考えられる場合は、心療内科の受診が適しています。

心療内科、精神科のどちらを受診すればいい?

自分の症状が心療内科、精神科のどちらに該当するか判断が難しい場合は、まず症状の出方や背景を整理することが大切です。

例えば検査では異常がないのに体調不良が続いている場合は心療内科が向いています。

気分の落ち込みや不安、やる気の低下といった精神的な問題が中心であれば精神科が適しています。

どこを受診すべきか迷った場合は、かかりつけ医に相談し、専門医の紹介を受けるのも良い方法です。

心療内科の受診を迷う場合のセルフチェックリスト

心療内科の受診を迷う場合のセルフチェックリストをまとめました。

以下のチェックリストに少しでも当てはまる場合は、心療内科の受診を検討してみてください。

うつ病

うつ病は気分の落ち込みや意欲の低下などの症状が長期間続く病気です。

  1. 憂うつな気分が続いている
  2. 何に対しても興味や喜びが持てない
  3. 疲れやすく、やる気が出ない
  4. 集中力や注意力が低下している
  5. 自分に価値がないと感じ、自信を喪失している
  6. 自分なんて、自分のせいで、などと自分を責めてしまう
  7. 自殺や死について考えることがある
  8. ほとんど毎日寝付けないまたは寝過ぎてしまう
  9. 著しい体重の減少または体重増加

上記の1、2のどちらか1つの症状があり、かつ3~9のうち4つ以上の症状が当てはまる場合は注意が必要です。

さらにこれらの症状が2週間以上続き、日常生活に支障をきたしている場合はうつ病の可能性が考えられるため、早めに心療内科を受診しましょう。

適応障害

適応障害は、仕事や学校、家庭環境といった特定の環境や出来事からのストレスのせいで様々な症状が生じる病気です。

  • 不安や緊張感が強い
  • イライラしやすい
  • 集中力が続かない
  • やる気が出ない
  • 何事にも興味がわかない
  • しっかり休んでいても体がだるく疲れやすい
  • 自分はダメだと思ってしまう
  • 憂うつな気持ちが続いている
  • 勝手に涙が流れる
  • 食事の味がしない
  • 食欲がない
  • 動悸や息苦しさを感じる
  • なかなか寝付けない

上記のうち一つでも当てはまる症状がある場合は、心療内科を受診しましょう。

自律神経失調症

自律神経失調症は、自律神経のバランスが崩れることによって心身にさまざまな症状が現れる病気です。

  • 頭痛・めまい・立ちくらみ・動悸などが起こる
  • 急に胸が苦しくなったり息苦しくなったりすることがある
  • 手足のしびれを感じることがある
  • 倦怠感がありいつも疲れているように感じる
  • 慢性的な肩こりや腰痛がある
  • 些細なことでイライラして落ち着かない

上記に当てはまる症状がある場合は、心療内科を受診しましょう。

睡眠障害

睡眠障害は、睡眠に関して何らかの問題が生じている状態です。

  • 布団に入ってから寝付くまでに時間がかかる(30分以上)
  • 睡眠中に何度も目が覚める
  • 朝早く目が覚めてしまう
  • 熟睡した感じがしない
  • 日中の仕事や学業に支障をきたしている
  • 日中に強い眠気を感じる

睡眠障害はただ眠りが妨げられるだけでなく、睡眠不足が続くことで日中の生活にも支障をきたすようになります。

上記に当てはまる場合は、早めに心療内科を受診しましょう。

摂食障害

摂食障害は体重や体型に強いこだわりを持ち、健康を損ねるほどの食事制限や過食を繰り返す病気です。

  • 太ることに対し恐怖を感じている
  • 体重や体型への関心が高い
  • 食事量を減らすことがある
  • 食欲をコントロールできず一度にたくさん食べてしまうことがある
  • たくさん食べた後に、食べたものを吐いたり食事を抜いたりすることがある
  • カロリーや体重のことで頭がいっぱいになる

上記の症状に当てはまる場合は摂食障害の可能性があるため、一度心療内科の受診をおすすめします。

心療内科を早めに受診するメリット

精神的・身体的な不調を感じている場合は、なるべく早めに心療内科を受診しましょう。

心療内科を早めに受診するメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • 早期に適切な治療を受けることで重症化を防げる
  • 回復を早めて生活の質を向上させられる
  • 二次的な健康問題を予防できる

心の病気は放置していると徐々に症状が悪化していき、日常生活にも支障をきたすようになります。

また二次的な健康問題を引き起こす恐れもあるため、症状が悪化する前に早い段階から治療を行うことが大切です。

「この程度の症状で受診していいのかな?」と悩まず、気になる症状がある方は早めに心療内科を受診しましょう。

心療内科の受診に関するよくある質問

心療内科の受診に関するよくある質問をまとめました。

  • 心療内科の初診の流れは?
  • 心療内科の治療内容や費用は?
  • 心療内科の通院頻度は?

ここでは上記3つの質問についてそれぞれ解説します。

心療内科の初診の流れは?

心療内科の初診の流れは以下の通りです。

  1. 問診票の記入
  2. 医師による診察
  3. 検査
  4. 治療
  5. 会計

診察では現在の症状や受診の経緯、これまでの病歴、思い当たる原因、仕事・家族・人間関係などについて問診されます。

また医師の判断によっては、血液検査や心理検査などが行われる場合もあります。

症状や治療内容について不安なことがある場合は、診察時に医師に相談してみましょう。

心療内科の治療内容や費用は?

心療内科は主に心理療法、薬物療法、TMS治療、生活指導と環境調整などを組み合わせた治療を行っています。

薬物療法では抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬などの薬が処方されますが、病気の根本的な解決のためには他の治療との併用が必要です。

また心療内科では健康保険が適用されるため、原則自己負担1〜3割の費用で受診できます。

  • 初診:3,000円~5000円程度
  • 再診:1,500円程度

ただし病院によっては、上記に加えて検査代や処方箋料、カウンセリング代などの追加費用がかかる場合もあります。

また、病院によっては薬に頼らない治療としてTMS治療を受けられるところもあります。

TMS治療はうつ病や強迫性障害に効果的な治療方法です。保険適応の場合はうつ病のみが適応で約2か月の入院が必要となることが多いです。自由診療の場合は短期集中治療ですぐに治療を始めることが可能です。

TMS治療は保険の適応条件が厳しいため、多くの心療内科では自由診療で治療を提供しています。

心療内科の通院頻度は?

心療内科の通院頻度は患者さんによって個人差があります。

週1回の通院が必要な患者さんもいれば、月に1回の通院で良い患者さんもいます。

心療内科の治療は薬物治療とカウンセリングを並行して行うケースが多く、症状が改善してくるにつれて通院の間隔も長くなっていくことが多いです。

また症状改善後も再発のリスクがあるため、3か月~半年に1回の頻度で受診する場合が多くみられます。

まとめ

精神的・身体的不調や食事・睡眠・行動に関する症状が現れている場合は、心療内科の受診をおすすめします。

「この症状が出ていないと心療内科を受診してはいけない」というルールはないため、気になる症状がある方は一度受診してみるとよいでしょう。

早めに受診することで、早期段階で治療できるだけでなく、二次的な健康問題の予防にもつながります。

金山こころとねむりのクリニック』では、うつ病や双極性障害(躁うつ病)、不眠症、社交不安障害、全般性不安障害、パニック障害、統合失調症などさまざまな病気の治療に対応しています。

薬物療法を行う場合は薬剤を最小限に抑えることを心がけています。また薬に頼らないTMS治療を自由診療で行っております。

多くの病院や医療機関との連携により適切な治療が行えるため、精神的・身体的不調でお悩みの方はぜひ当院までご相談ください。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME